早稲田大学柔道部は1897年(明治30年)に創部されました。本学が目指す柔道の原点である講道館柔道(正式名称・日本伝講道館柔道)は15年前の1882(明治15年)に嘉納治五郎先生によって創められました。
本学柔道部は他に類を見ないほど古くから講道館柔道の精神を受け継ぎ邁進してきました。この講道館柔道の精神をもっと多くの子供たちにも広めたいという趣旨で、児童・生徒を対象とした柔道指導をこのたび行う事にいたしました。
その指導の基本理念は嘉納治五郎先生が掲げた「精力善用」・「自他共栄」、即ち「柔道とは心身の力を有効に使用する道である。その修行は攻撃防御の練習によって身体精神を鍛錬し、斯道の神髄を体得することである。そうしてこれによって己れを完成し、世を補益することが柔道修行の究意(きゅうきょう)の目的である」としていますが、それを身につけた人間形成を目指していきます。
早稲田柔道ジュニアクラブは昨今の競技スポーツに見られる「試合本位」の「勝利至上主義的傾向」を単に追求するものではありません。柔道の練習を通して、健全な身体や実践力を身につけ、健全な心「相助相譲」(互いに助け合い、譲り合って互いの心の手をつなぐ)「成己益世」(おのれをなしてよをえきす、自分が立派になるように努力し、社会に貢献する)を養っていこうとするものです。これは嘉納治五郎先生が説いた「修心」「体育」「勝負」を基本としています。
以上のとおり、早稲田柔道ジュニアクラブは身体・勝負だけが強い人間ではなく、強い精神をもった有能な人格を講道館柔道を通して形成していくことを目指しています。